【①図鑑で見る】
アートフラワーはアートといわれるだけあって、本物の色を再現する必要はありません。
葉っぱだから緑という固定概念もありません。
実際にはありえない色でつくりだすのが醍醐味とも言えます。
花弁ともガクも葉っぱもすべて黒の黒薔薇なんていうのもできます。
色に限らず構造もそうです。
実物の薔薇の花弁の数を布で同じ数にしようとすると、とても頭でっかちちゃんになってしまいます。
花弁の形も実物は1枚ずつ微妙な違いがあって、それこそ左右対称になっていないものも多いんですよ。
あと一番表現できないのは「トゲ」ですね。
裂き布を使ってもこれだけはうまくできません。
なので、数を減らしたり、逆にバランスを取るためにパーツを大きくしてみたりして作っています。
構造の知識はなくとも「こんな感じ」でもできるのがいいところですね。
しかし、ある程度の植物の構造や品種、色みを知っているほうが幅広い作品が作れるように思います。
そこで植物図鑑や花図鑑を使います。
1つはネットでの検索。
これは植物に限らず、手軽でいつでもどこでも調べることができる便利なツールですね。
画像もついているし植物の種類だけにとどまらず育て方などなど、なんでもござれで調べることができます。
しかし私はアナログチックかもしれませんが本になっている花図鑑を使います。
こちらの図鑑は花の種類はもちろんのこと、品種カタログも掲載されていてカラーバリエーションを見るのに便利です!
とくに飾ることを想定した注意書きも参考になりますよ。
かれこれ10年くらいのお付き合い。上にチョコっと見えている付箋はよく見るページです。
こんな色のバージョンもあるのかと驚く花も少なくありません。
私達が普段の花屋さんの店頭で見ている数って案外少ないものですね。
以前の記事にも書きましたが、花の旬もこの図鑑には載っているので製作時期の目安にもなります。
こちらを参考に、今度は色をどうしようとなるわけで、染色見本を作って混色を考えます。
【②染料で見る】
これがありんこが普段使っている染料です。
シリアス染料というものです。
アートフラワーには他にも染料がありますが、私はこれしか使ったことがありません。
粉状になっていて、水で溶かして使うタイプ。
うす絹のはぎれを染色して色見本として使っています。
本来は木綿、化繊、本絹と用意しておくほうがいいのかもしれませんが‥(・・;)
なぜなら先日のアートクロスの記事でもご紹介した通り、染色した後の色味が白っぽくなったり鮮やかになりすぎたり‥生地によって同じ色でも染まり方が違うからです。
上の写真は原色で、これからどう混色するのか、どのくらい薄めるのか等を実際使う生地を試し染めして決めていく作業を繰り返します。
試し染めした生地の裏にはだいたいどのくらいどの色を混ぜたのかをメモしておきます。
作った染料は長くおくと傷んでくるので一ヶ月以内に使い切るようにします。
小さなガラス瓶に入れて、蓋の上に先程の生地を貼っておくとわかりやすいですよ。
【③実物】
花屋さん、植物園、道端‥いたるところに花は咲いています。
「アート」よりも「リアリティ」にこだわるならば徹底的に実物とにらめっこして再現するという方法もあります。
例えばこのクローバーの葉っぱ。
公園からクローバーを持ち帰って、面相筆を使って模様を再現しました。
葉の根元の少し茶色い部分もです。
特に白詰草は見た人から「本物?」と聞かれるくらいのリアリティを追求しました。
あと図鑑ではわからない花弁の色の変化を見るために、薔薇を1枚1枚剥がしてみたりもします。
【④まとめ】
このようにして花や葉っぱの色は考えています。
アートらしさにこだわる場合も、やはり身の回りに常に目を光らせてアイデアを練ることが大切ですね。
ドライフラワーを見るのもいいかもしれません。
ドライフラワーの退色した色味もなかなか人気があります。
特にアンティークが好きな方にはおすすめですね。
染料については、また後日語らせていただきます。
染色とは別の話になりますが、この図鑑には花言葉も載っています。
お客様におすすめする際にどの花にどんな花言葉があるかを知っているのは、役に立つスキルだと思います。
花の種類がたくさんあるとどれにしようかな~と迷われる方って結構多いんですよ。
その時に「マーガレットには真実の愛という花言葉があります」や「トルコキキョウには優美という花言葉があります」ということをお話すると、「じゃあこちらにする」という選択の手助けをすることができます。
薔薇やカーネーションは使われることが多いので花言葉を知る人が多いですが、意外と知られていないお花って多いです。
私自身も作る時にてセールスポイントにしようとしっかりと調べて覚えてをしてます。
お花の染色も旬や花言葉も、作るにあたっては参考にするものが多いに越したことはありません。
感想などありましたらコメントいただけると嬉しいです。
ありんこの染色は続くよどこまでも‥
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